果樹園の基本管理（4）

摘要

永年作物の果樹栽培は適地適作が基本で、樹種 ごとの栽培特性に適した生産環境（気象、 土壌-地形条件など)の下で経済樹齢（販売収益> 生産 経費の年限）をできるだけ長期間維持することが 重要とされています。その基本原則が大きく変 わることはありませんが、生産管理で品種更新、 マルチ、完熟、施設栽培、灌水、選果施設など技 術水準が高度化する一方で、気候温暖化に伴って 高温、寒波、豪雨、干ばつなどの異常気象が増 加しており、適±也適作の概念についても再点検が 必要かと思われます。果樹農業振興基本方針（農林水産省）では「栽培に適する自然的条 件に関する基準」（表1)が設定されてお り、かんきつの場合は年平均気温、冬期 最低気温と気象被を防ぐための基準 が記載されています。落葉果樹では、この他に生育期間（4/1-10/31)の平均 気温、降水量や休眠確保のための低温 要求時間も記載されています。この点で 常緑果樹のかんきつ類は、果実、枝葉な どが寒害を被らないように厳冬期の最 低気温を重視した基準設定といえます。