バイオカフエの効用：科学者の積極的関与への期待

摘要

イギリスで始まったサイエンスカフェが世界中に拡大している．日本では平成16年度科学技術自書で紹介されたことがきっかけになり（1），全国の大学，科学館などでいろいろな人を対象にしたサイエンスカフェが開かれ，ポータルサイトも運営されている（http：／／scienceportal．jp／）．日本で行なわれているサイエンスカフェは，「市民の科学」を広めることを目指すものから，北海道大学，国立科学博物館などが実施しているようにサイエンスコミュニケーター養成のカリキュラムの一環に位置づけられているものまで，その目的は様々である．扱うトピックスも，天文，数学，物理や化学，バイオテクノロジーなどと，開催団体によって特色があり，また開催場所や日時によって参加者もバラエティに富み，それぞれのカフェの個性ともなっている．多様なカフェが生まれることが，いろいろな考えをもつ市民とコミュニケーションをはかる上で重要であろう．農芸化学会でも，三省堂と連携し，広報委員会がサイエンスカフェを継続して開催している（http：／／www．books－sanseido．co．jp／event／sc／index．html）．学会主催のカフェが継続して開催されている例はなく，今後の活動やその他の団体との連携が期待される．