近年のかんきつ開発品種:レモンr璃の香」の品種特性と 栽培上の注意点について

摘要

最近、私の住む静岡県でも、'国産レモン'、'瀬戸内レモン'など の言葉をよく見聞きするようになりました。食品の安全、安心を求 める風潮の高まりが追い風になってのことだと思います。国産レモンの生産量は、ここ20年で3倍以上に急増しました。これを牽引 してきたのは、愛媛県や広島県といった温暖で雨の少ない瀬戸内海 の地域です。レモンは、かいよう病に非常に弱く、雨が多いと病気 が多発してしまうことから産地は限られています。このため、現在 でも国内で消費されるレモンの約9割はアメリカやチリからの輸 入品です。このような現状を改善すべく育成されたのが、レモンタ イブの新品種「璃の香（りのか)」です（写真1；)。国産レモンの産地 拡大と自給率向上が期待されています。