大規模基盤整備園地におけるみかん 高品質安定生産のためのマルドリ栽培:三重南紀での取組事例

摘要

三重県東紀州地域は紀伊半島の東南部、県南 端に位置し、熊野灘の海岸線に沿った熊野市、御浜町および紀宝町の3市町からなります。この 地域には世界遺産に指定された熊野古道（伊勢 路）が通っており，観光名所が点在しています。 年間平均気温16.4°C、降水量2,900mmと冬期 温暖な気候で、熊野灘に面した海岸線は無霜地 帯です。山林が大半を占めているため、耕地は 3,000haと少ないですが、かんきつ中心の樹園 地率が約50%と高い地域となつています。かん きつ類栽培面積は約1,000ha、平成25年度の生産量は約1万tです。栽培されているおもな品 種は温州みかんで、早生種が多 < 極早生温州の 比率が高いのが特徴です。中晚柑類では甘夏類 を主として、「セミノ一ル」「宮内伊予柑」「カラ」 「不知火」「サマーフレッシュ」などが栽培されて おり、地域全体として、「年中みかんのとれる町」 をキャッチフレーズにしています（図1)。ちと もと海岸段丘地形で比較的平坦な園地が広がつ ていますが、近年、大規模な園地整備がなされて いることも特徴といえます。そのため、比較的規 摸の大きいかんきつ専業経営が多くあります。