2012年度における酪農学園大学野生動物医学センターWAMCの活動報告(3)

摘要

前号まで、2回にわたり2012年度の酪農学園大学野生 動物医学センタ一WAMCの研究活動概要、すなわち外 来種、在来哺乳類、在来鳥類、飼育種などに関する研究 成果の詳細を報告した。最終回はWAMCの教育および ェクステンション活動について紹介する。獣医学類に所属する現在の5年次学生から、本学教育 改編の影響で制度上、修士積み上げ時代から獣医学科で 斉一的に単位要件として課せられていた「卒業論文（卒 論)」はなくなる。その代わり、学生たちは5分野（大 講座）に所属し、それぞれに特化した形の教育機会が提 供される。しかし、著者が所属する感染、病理学分野で は、科目「基礎実験研究論文（基論)」と名称は変化し たが、旧来の卒論とほぼ同じものを踏襲することになつ た。ただし、基論締め切りは卒論に比べ3力月ほど前倒 しになるので、慌ただしくなること、学会報告は単位と して認定されることなどが異なる。また、5年次学生が 学類共通で行う講義、実習が減少し、各基論指導教員に よる演習や実験が増えた。これらは「正規科目」である ことから、有名無実にしてはいけないので、著者に指導 を受ける4および5年次学生計9名に対し、説明責任の 能力向上の場とした。まず、「獣医の卵たち」と銘打つ た公開講座では、愛護法に対応した動物群、すなわち、 鳥類（6-7月、開催月、以下同様)、爬虫類（11月） および哺乳類（12月）の概要を市民や下級生への授業を 行わせた。WAMCでの剖検やサンプリングで得られた 標本をふんだんに使う講座は、それなりに好評であると 思う。もちろん、このような企画は、告知が重要である。 また、時には、生涯教育の一環としてみなしていただき、 本学EXセンタ—生涯教育課をはじめ、広報課、入試課、 研究支援課など学内の各関連部署にバックアツプされた。