食品中ビタミンの調理損耗に関するレビュー（その2) (ナイァシン，パントテン酸，ピオチン，葉酸，ビタミンC)

摘要

食品中のビタミンが様々な調理で失われることは一 般にも広く知られている力5,その残存率の数値デー夕 を出典が明確な一次情報として探すことは難しい.また仮に出典が明確な情報をみつけたとしても，ある特 定の条件の下で得られた結果であり，それが類似した 別の条件に適応できるかどうかの判断も難しい.食品 中ビタミンの調理損耗についてはデータが散逸してお り，このことが日常の食事由来のビタミンの摂取量の 把握を困難にしている.したがって，ビタミンの調理 損耗について文献を網羅的に収集し，出典を明確にし たデータをまとめておくことは，食品の調理条件を考 慮してビタミンの摂取量を推定する際に役立つと考え られる.また，既存の文献情報をまとめることにより， ビタミンの損失と調理条件に関して，今後検討するべ き課題を明らかにすることも可能である.