複数戸法人における農家女性の役割と意思決定への関与: 北海道N町を事例として

摘要

農家女性は日本農業の重要な担い手であり，丸 岡秀子を先頭に，農家女性に閲する研究も蓄積さ れてきた.以前は，女性が農業の重要な扪—い手で あるにも関わらず，農家家族内では家父長制の下 で低い位置におかれ，無報酬労働や家事を含めた 過重労働等が問題とされ，女性の地位の向上や経 済的S立が目指されてきた.近年では，家父長制の崩壊に伴い，農家家族の 近代化が図られるようになり，従来のような農家 家族内のタテの関係ではなく ，夫婦のョコのつな がりが従事され，パートナーシップの確立や女性 の経営参画が推進されるようになった.農家女性の鋅営参画は，女性の社会進出が進む中で，農家 女性自身の要望として取り組まれるだけでなく ，農業、農村の閉塞感を打ち破る存在として農家女 性が注目され，女性ならではの感性や視点に期待 して，外部からも女性の経営参画が期待される時 代になっており，制度や支援体制が徐々に整備さ れてきている.