B型肝炎ウィルス（HBV)のリバースジェネティックス

摘要

B型肝炎ウイルス（H印atitis B virus; HBV)は現在も世界的な感染拡大が続いており，依然として大 きな問題となっている.Australia抗原が発見されて以来，臨床医学、疫学など様々な方法で研究が 続けられてきたが，HBVは感染宿主域が狭く ， in vitro, in vivo共に簡便で効率の良い感染実験系が 現在に至るまで確立されていない.そのため逆遺伝学：リバースジヱネテイクスの手法が果たしてき た役割も大きレゝ.我々はB型慢性肝疾患患者から様々な遺伝子型のHBVクローンを樹立し，リバー スジヱネティクス手法を用いて解析を行ってきた.それらの結果からHBVの病態と遺伝子型の関連 性がどのようなものか徐々に明らかになつてきた.本稿では我々がHBVについてリバースジエネティ クスを用いて解析してきた研究内容について紹介したい.