2．レトロウイルス、シェードタイプ

摘要

シェードタイプとは，1960年代にRubinが初めて用いた言葉であるが，脂質二重層を被ったいわゆるエンベロープド、ウイルスで，その粒子に含まれているウイルスゲノムにコードされていない外被タンパク質を持つウイルス粒子をいう。 従って，ある種のウイルスゲノムが，他のウイルスの外被タンパク質を含む膜でおおわれた場合や，非ウイルス遺伝子を含む複製欠損型の組換えウイルスゲノムがウイルス粒子にとりこまれた場合に，シェードタイプが形成される。 前者の典型的な例としては，ベシキュラー、ストマテイティス、ウイルス（VSV）コアをレトロウイルス等の外被タンパタ質で包んだVSVシュードタイプが挙げられる。一方，レトロウイルス、シュードタイプほ主に，後者に属し，がん遺伝子，マーカー遺伝子あるいは治療用遺伝子等を含むウイルスゲノムがレトロウイルス、コアタンパク質でパッケージされ，更に様々な外殻タンパク質に包まれる。