赤松作風展受賞に秘められた太幹古木の苛烈な植え替え

摘要

宮嶋氏がこの赤松を入手したのは、この作業を取材する2年前のこと。岩石性を思わせる豪快な迫力の幹肌と捻転する幹模様に高い将来性を見出し、左の落ち枝を利かせた枝骨修正と小枝充実の培養が続けられてきました。今回紹介する作業は素材を入手してから初めての植え替え。正面をわずかに時計回転に振った位置に変更する目的以外にもう一つ、この樹の根の状態を確認するという目的で行なわれます。しかし宮嶋氏には作業前からある懸念を抱いていました。立ち上がりの左側、発達した根張りの底にどれだけの太根が存在しているのか…。その答えは宮嶋氏の想像を超えるものでした。