食道癌化学療法におけるエレンタールの-口内炎予防*軽減効果についての検討

摘要

要旨食道癌における化学療法では口内炎は頻度の高い有害事象の一つである。口内炎に対する有効な治療法は確立されておらず，標準的な治療法も存在しない。グルタミンは活性酸素による組織障害を軽減させる作用があり，抗癌剤や放射線による口内炎を軽減させる報告がある。今回われわれは，グルタミンを含有する栄養剤であるエレンタール~R (L- グルタミンl，932mg含有/1袋）を用いて，口内炎予防·軽減作用について検討した。15人の化学療法施行食道癌患者のうち，6人に登録前の治療でgrade1の口内炎が認められた。これらの患者を対象に，口内炎がでた次コースの化学療法時開始前7日から開始後第7日まで計14日間，エレンタ一ルを1日1袋内服させた。エレンタールは6人に計7サイクル投与され，全例全サイタルでgradeOとなった。エレンタール内服にて口内炎の予防·軽減効果を期待できる可能性があると考えられた。