プロが教える小品盆栽の樹づくりと管理の要諦

摘要

今月の作業テーマは、実もの樹種を使つた休眠期前の葉刈りと実を鑑賞するための剪定、さらに実を楽しんだ後の作業についてです。実もの樹種を育てる上で目標となるのは、実を枝に生らした姿を鑑賞することにあると思います。枝いっぱいに実を着けた姿は大変華やかで、また大きな実を1-2個着けた姿もまた味わいがあるものです。先月号で雑木(葉もの樹種)の休眠期前の剪定をご説明しましたが、休眠期が剪定の適期であることは実もの盆栽でも同じです。ただ、雑木と同じく休眠期前に葉刈りと剪定を行なつてしまうとせつかく生つた実をすベて取り去ることになつてしまうので、実を鑑賞する段階になつたら剪定は少し時期を遅らせて行なうことになります。剪定のタイミングは実の鑑賞が終わる頃で、3-4割の実が萎れ始めたらすべての実を取って、実生り鑑賞のために伸ばしていた枝を適切な長さに追い込むようにしましょう。実をたくさん生らした状態というのは樹にとつて負担が大きいもの。あまり長期間実を着けたままでは樹が疲弊してしまつて翌年の樹づくりに悪影響を与えることもあるので、できるだけ早めに摘果するようにしましょう。 IFI