今年の栽培反省と次年度対策-温室ブドウ-

摘要

今年は生理障春の発生も少なく，好天に恵まれたことから果実品質も良好で，全体的には大きな問題のなかった年であった。 しかし，ここでもう一度今年の栽培を振り返り，自身の室および樹の状態を把握しておきたい。 昨秋以降が温暖で落葉が遅れた宴が多く，秋冬季の枚や芽の充実は不足していたと思われる。 さらに，冬季に温暖であったため，休眠覚醒も不十分であったと考えられる。 そのため，12月－1月上旬の加温開始作型では初期生長が弱く，葉色の薄い樹が見られた。 1月下旬以降の加温開始作型では必要な低温に十分遭遇したためか，発芽揃いや花持ちは平年並み密生育も順調に進んだ。 今年は成熟期の7月に非常に高温となり，糖度は高いものの果粒が小さくなったところもあった。