最近のHPN普及の現状について サポート企業の視点から

摘要

テルモ㈱は,入院患者が安心して退院,在宅化するための支援システム「ホームジョイント~(TM)」を全国ネットワークで展開している。 そのなかで最近, HPN'在宅中心静脈栄養法)症例が急増している。 今回, 1998年度に支援した472症例の支援経験を基に, HPNの普及の現状について企業の視点から報告する。1) 1998年4月～4999年3月に支援したHPN患者の概要·症例数:472例(女性43%,男性57%)·年齢:1～104歳(70歳以上47%)·原疾患:癌54%,その他25%,不詳21%·ポンプ:携帯型85%,据置型15%·期間:終了300例で1～437日(平均65.6日)(2)1997年度から変化した要因·病院主体の実施例が増加(大学病院,地域基幹病院)·対象患者が拡大(70歳未満,非癌症例, 2か月以上の継続例が各々増加)(3)HPN普及のための今後の課題·病院の退院計画への組み込みと,診療所,調剤薬局への啓蒙·調剤,輸液管理を容易にする器材の開発·メリット/デメリットの検証と保険適用の強化結語: HPNは依然として癌/末期の患者への適用が中心であるが,術後の早期退院や消化器症状増悪時の栄養管理にも拡大しつつある。 今後,さらなる適用の多様化に対応できるよう,医療機関·企業を含めた高い水準のシステム化が急務である。