名樹鉴赏「真柏銘.道芝」

摘要

真柏の自生地としてまず名前が挙がるのは、長野県の黒姫山や新潟県の明星山など、いわゆる「糸魚川」産であろう。明治時代の末頃、鈴木多平氏によって発見されたこの一大自生地から輩出される真柏は、葉性.シャリの質ともに素晴らしく、「糸魚川」ブランドは現在でも最高の葉性を表すものとして知られている。しかし、真柏盆栽はこの黒姫山や明星山からで発見されたものが初めてではない。それよりも古い時代、明治S年頃に愛媛県の石鎚山で採取されたのが始まりであった。