中央アジア諸国の政府－企業間関係と経済成果－命今回家対救済国家

摘要

中央アジアを含めた旧社会主義諸国による市場経済化への挑戦は，経済学に「移行経済論」という一大研究分野を生み出すぼどの刺激と教訓に満ちており，これまでも研究者の間に数々の論争を巻き起こしてきた。 そのひとつは，改革プロセスと経済成果との因果関係に関するものであり，それは大別して以下の2つの研究動向を内包している。その第1は，移行戦略としての急進主義と漸進主義の是非をめぐる論争である。 急進主義を支持するLipton and Sachs(1990)，Murphy，Shleifer and Vishny (1992)，Krueger (1993)，Balcerowicz and Gelb (1994)，A slund (1995)，Sachs (1996)らは，経済政策間の相互補完性を重視する立場から包括的な改革パッケージの必要性を説いている。