糖鎖を追う次世代ポストゲノム研究をリードする糖鎖研究機能の解明、糖鎖創薬、食品への応用

摘要

本誌は昨年夏、糖鎖の特集号を出した。 反響は予想以上に大きかった。 これまで糖鎖という存在が難解で、漠然としていて、業界関係者もあまり良くその実態を掴んでいなかったからだ。 食品業界においては、糖鎖の本格的な商品化はこれからだと考えられている。 それには理由がある。 これまで糖鎖研究はその「機能研究」が主で在り、人工的に糖鎖を作るには、あまりにもコストが掛かりすぎると考えられてきたからだ。コストが高いということは食品業界向きではないと思われていた。 関係者は、これまでに蓄積された機能研究を基に、「糖鎖の医薬品開発が最初に来るのではないか」と語っているし、実際、海外では医薬品開発に成功、数千億単位の売上を達成している製薬メーカーも存在している。 いわゆる「糖鎖創薬」である。