工学的手法による免疫刺激の新展開

摘要

工学は英語でEngineeringであるが，もともと工兵のことを意味するEngineに由来する。 Engineは，動作や変化を表す接頭語のEnと「創り出す」という意味のgenからなり，道や橋を造築することを意味していた。 その後，自然科学（理学）によって明らかにされた法則，つまり自然を支配する力に関する知識を基に，社会に役立つものを創り出す学問分野を包括するものとなった。 本特集は，その工学と免疫反応がテーマである。 そのテーマを広く考えると，工学的技術によってもたらされる免疫反応，例えば車の排気ガスや最近関心が高まっている環境ホルモンによる免疫系への影響等も含まれることになるが，本特集では工学的技術による治療手法としての免疫反応を取り上げ，特に「体外免疫療法」における工学の役割と将来の可能性を考えたい。