農薬を変えた農薬: 開発ものがたり、日本の創薬力 - (5)殺ダニ剤エトキサゾールの開発-抵抗性との格闘の記録

摘要

ェトキサゾ一ルは殺ダニ剤「バロックフロアブル」（商品名）の有効成分で1998年4月に農薬登録を取得して 販売を開始し，今年（2015年）で18年目の防除シーズ ンを迎えている。ハダ二類はその増殖能力の高さから， 薬剤抵抗性が発達しやすい害虫であり，殺ダニ剤の寿命 は短いものが多いが，エトキサゾールは現在でもお茶の 分野などで主力剤として使用されている。近年では，米 国トウモロコシのハダ二防除剤として広く使用され米国 の植物防疫にも貢献している。さらに最近，ナミハダ二 の抵抗性研究からベンゾィルフエニルゥレアを含むキチ ン合成阻害剤の作用機作解明につながるような発見もな され（Van LEEWENetal., 2012)，学問的な貢献にもつな がっている。新規有効成分は研究、開発、製造、販売し て，はじめて真の価値がわかるものだと実感する。