キク半身萎凋病菌Verticillmm dahliaeの 病原性と系統類別

摘要

キク(Chrysanthemmn morifolium Ramat.)は花き類のなかでも最も重要な品目の一つであり，多くの病害が 報告されている。そのうち，キク半身萎凋病（飯嶋.三 上，1972)は，Verticillium dahliae Klebahnによって引 き起こされる土壌病害であり，防除が困難なことで知ら れている。群馬県においては1983年に昭和村で本病の 発生が確認されて以来，県内の主要なキク産地で発生 し，問題となっている（漆原ら，2006;池田ら，2008)o 本病の病徴としては，はじめ下葉がまだらに黄化して萎 凋し始め，株の高さの半分くらいまでの葉に症状が現れ る。本病の病原菌であるKぬ;^wは導管を褐変させる のが特徴である力、キクでは明瞭な褐変を示さない。本 病は土壌伝染性であり，K dahliaeの微小菌核が土壌中 に残存して，次作への伝染源となる。キクの場合は，本 病に感染した親株からの挿し芽苗によって伝染すること も確認されている（筆者ら，未発表)。