メッシュ気温データを利用したフタオビコャガ発生時期の推定

摘要

水稲害虫フタオビコャガNaranga aenescensは，長年，水田に発牛.はするものの一部の常発地以外では被害に結 びつかず，一般的には防除の対象にはならない害虫であ つた。ところ力、2000年代以降，各地でこれまでにな いような多発生事例が見られるようになり，防除対策が とられるようになつている。本種の防除は，予防的に育苗箱施用剤を用いるか，若中齢幼虫期に本田防除を行う かである力、本田防除についてはいくつかの課題があつ た。本種の若中齢幼虫は微小であり，農家が圃場で確認 しにくレゝこと，年次によって発生の早晩が異なること， 地域間でも発生時期が違うこと等から，防除適期の把握 が困難である。また，山形県では本種については要防除 水準が策定されており（中島'横山，2011),これを活 用するためにも発生時期の把握は重要である。