熱帯性まぐろ類標識放流事業について

摘要

熱帯性まぐろ類であるメパテ，キハダは，日本近海を含む世界中の海洋の熱帯 聨∮颏朔植激罚悉ńUやまき網漁業で多く漁獲され，商業的に非常に重要な魚種である。 その資源状態については，温帯性のクロマグロやミナミマグロほど深刻ではないものの，近年では，MSY（最大持続生産量）に迫るかもしくはそれを割り込むほどになっている。 また，まき網漁菜による小型魚の漁獲の資源への影響も懸念されている。資源学的研究も古くから行われているが，成長や生残といった資源生物学的パラメーターや移動経路につVlての詳細は明らかではなく（特にメパテについて），資源解析の際の不確実要素となっている。 そこで，水産庁は，平成11年度より5カ年計画で，熱帯性まぐろ資源対策調査委託事業を開始した。 この事業には，漁獲物統討やまぐろ類の形態にもとづく分類といった項目も含まれているが，メインとなるのはメバチを主体とした熱帯性まぐろ類の標識放流である。