水稲高度耐冷性中間母本系統「古川耐冷中母104-110」の系譜と農業形質について

摘要

東北地方太平洋側の稲作地帯では，オホーツク海高気圧から吹き込む 北東風（やませ）の影響により，たびたび冷 夏に遭遇し，障害不稔やいもち病の多発により甚大な被害が生じている。1993年の大冷 害では，耐冷性"極強"の「ひとめぼれ」で も不稔が多発したことから，「ひとめぼれ」を 上回る耐冷性品種が求められている。そこ で，耐冷性に優れる国内外の遺伝資源を利用 して育成した高度な耐冷性を有する実験系統 と実用的な農業形質を有する品種、系統を交 配することによって，高度な耐冷性と実用的 な農業形質を兼ね備えた高度耐冷性中間母本 系統"古川耐冷中母104-110"を育成した。