チヤにおけるガロイルストリクチニン高含有系統「枕系56-01」

摘要

花粉症ゃァトピ一性皮膚炎などのアレル ギ一は、日本国内だけでなく世界的に増加し ている疾病であり、薬に因らない改善策が強 く求められている。チヤ品種「べにふうき」に多く含まれるェピガロカテキンふひ(3-0-メチル）ガレート（メチル化カテキン）は、ヒ スタミン遊離抑制による抗アレルギー作用を 有することが知られており、すでに「べにふ うき」を用いた多くの商品が開発されている。 また、これまでに加水分解型タンニンである ストリクチニンがI gE産生抑制効果（抗ァ レルギ一作用）を有していることが報告され ている力、その他の加水分解型タンニンにつ いても探索が行われ、「茶中間母本農6号」に 見出されたガロイルストリクチニン、1,2-di-galloyl-4,6,-(9-(5,)-hexahydroxydiphenoyl-y5-D-glucopyranose (G-ストリクチニン）やテオガ リンがヒト末梢血リンパ球からのI g E産生 を抑制することが明らかにされている。「茶 中間母本農6号」は、近縁種にtaliemis)の 後代であり、耐寒性が弱く芽数が少ないなど、 栽培特性の改善が必要であることから、加水 分解型タンニン、特にG-ストリクチン高含有 品種の育成を目的に「茶中間母本農6号」の 後代からの選抜を行った。その結果、G-スト リクチンおよびテオガリン含量の高い個体 「枕個03-1342」を選抜し、系統名「枕系 56-01Jとして2008年11月に栄養系比較試験 第56群に供試し調査を行った結果、G-スト リクチニン高含有の有望系統であることが明 らかになつたので報告する。