文献にみる補償の精神(38)「手ごろな価格で買ってくれる人はいないか」（あるダム水没移転者の嘆き）

摘要

本来、働くことは幸いことである。 人間は、働くことが嫌いであって楽をしたいものであるが、生きていくにはそうはいかない。 労働は、「肉体労働」、「頭脳労働」、「感情労働」の3つに分類される。 この中の「感情労働」という言葉は、「自分の感情をひたすら押し殺して、相手に合わせた態度と言葉で対応する。きびしい自制心を求められる仕事だ。 梗ㄆ匠?9年6月12日付朝日新聞◎天声人語）とある。 さて、用地補償業務は、どの労働に当たるのだろう。 立竹木◎建物等諸調査は肉体労軌補償要綱に基づく補償積算は頭脳労軌そして被補償者との交渉は感情労働の仕事と言える。 用地マンは常に3つの労働の中で仕事をしており、退職後もダム水没移転者とのつながりはなかなか消えない。