アフリカゾウの消化率と血液成分の季節変動

摘要

展示動物は、野生で捕獲あるいは保護されたものや動物園などで繁殖した動物が主である。野生から捕獲や保護された動物札本来の棲息地とはかけ離れた環境下で飼養されることになり、順応できるか否かが飼育成否の鍵となる。 さらに飼料にいたっては、動物本来の食性を考慮するものの、動物園の地理的環境や経済性に大きく左右される。 換言すれば、飼料給与は明確なデータに基づいて行われているのではなく、各動物園固有の飼育マニュアルを基本とし、獣医師や飼育担当者の判断の下、餌の種類や量が決定されるのが通常である。 そこで、本研究では、アフリカゾウの消化吸収などの栄養面や生理機能などの季節変化について調べ、盛岡での飼養マニュアルを作成する基礎データを得ることを目的と－した。 そのため、まず体重変動や消化率の季節変動、血液生化学成分などを調査した。