ES細胞の再生医療応用への問題点とiPS細胞の開発

摘要

1981年にマウス胚盤胞から樹立された胚性幹細胞（ES細胞）は，さまざまな細胞系譜へと分化できる能力（多分化能）と，その性質を維持したまま（自己複製能）．無限に増殖できる能力（無限増殖能）をあわせ持つ細胞である。 1998年にはThomsonらによってと卜ES縄胞も樹立された。ヒトES細胞もマウス巨S細胞と同様に多分化能と自己複製能，無限増殖能を持ち，理論上必要な縄胞を必要なだけ供給できる性質から細胞移植治療などの再生医療への応用が期待されていた。