酸性電解水添加培地を使った無菌培養技術の開発-地域の絶滅危惧植物の環境教育教材化をめざして

摘要

現在，高等植物の4種類に1種類が 絶滅の危機に直面しているといわれて いる。私の住む兵庫県でも，急激に多 くの植物が消滅している現状がある。 特に急激なシ力の増殖による食害は激 しく，林床の植物にとどまらず，低木 も消失した植物群落も少なくない。ま た，瀬戸内海性気候区に位置する兵庫 県南部は年間を通じて小雨のために， 4万力所以上のため池が存在する。た め池や周辺の湿地，草原は希少植物め 多産する植物群落を形成する。たとえ ば，サギソゥゃトキソゥ，ミズトンポ， 力キランなどのラン科植物ゃモゥセン ゴケゃイシモチソゥ，ミミ力キグサ等 の食虫植物など希少植物が生育する植 生が発達する。「ため池王国」ともい える兵庫県は，水生植物や湿生植物の 多産する地域といえる。しかし，阪神 淡路大震災以降のため池の改修工事後 の水深や水質の変化による水生植物の 激減や，水田が放棄され必要性を失つ たため池が埋め立てられたり，水が抜 かれることで，湿生植物群落は次々と消滅している。その結果，兵庫県のた め池周辺は絶滅危惧種が多産するホッ トスポットとなっている。