ネコの毛色変異 －なぜ三毛ネコはメスだけなの？

摘要

白ネコ，盟ネコ，三毛ネコ，普通のトラネコ，珍重されるシャムネコ，ぺルシヤネコなど，飼いネコにはたくさんの毛色，毛並があり，それが多くの人にネコが愛されている理由の一つであろう。本稿ではネコの毛色の遺伝学，およびネコゲノムプロジェクトによって明らかにされた遺伝子変異について語る。 　 ネコの毛色と毛並は約10種類のタンパクによって調整されていると言われる。 これらのうち，既知のタンパクとその役割およびその変異の詳細については後に述べる。 　 ネコの毛色と毛並は非常に多様で，基本的に54型のタイプに分けられる（表1a，表1b）。 色の基本は黒と赤（オレンジ）の2つだが，この色素の形成状況，毛における分布量，および沈着パターンにより亜系色を作りだす。 黒の場合，亜系として青、茶、ライラック、シナモン，および子鹿色（黄茶色）がある。 赤（オレンジ）の場合は，亜系としてクリーム色を作り出す。 この8種の色に加えて，まったく色素のない白を入れると9種の色となる。