流通チヤンネルの多様化と産地市場対応～産地市場の再生問題～

摘要

1980年代の水産物流通の特徴は、末端流通が特に伝統的鮮魚小売店に代わってスーパーマーケットとコンビニエンスストアが台頭してきたことだ。 この末端流通での変化が消費を規定し、さらに産地流通を規定するといった、いわば川下からの流通変化が起こった。スーパーマーケットの変革は、水産物流通のスケール、メリットの追求と流通コストの削減のために流通が合理化されてきた。 このため当時の水産物流通の変化は価格競争が主な内容であった。 この時代をリードしてきたスーパーの戦略は、大量仕入れ、大量販売、近代的物流を行い、価格を安くする「チェーンオペレーションシステム」が中心であった。 GMS（大規模なスーパー）もディスカウントストアも、主要品の仕入れは本部で一元的に行い、全国で1年中同じ商品が売られた。