稲発酵粗飼料の乳牛への給与とその効果

摘要

現在、全国の遊休水田や転作田において稲発酵租飼料の生産が年々拡大しており、2008年の作付面積（見込み）は8，931血aであった。また、稲発酵租飼料の生産拡大に伴って利用する酪農経営も増えており、2007年の調査では都府県で1，436戸、酪農戸数の8．4％に相当する。その背景には近年の飼料価格の高騰、国外からの疾病の侵入など、それらリスクのある輸入飼料に依存した体質から脱却を図りたいとの強い要望があると思われる。イネの飼料利用に関する研究は1970年代から取り組まれているが、ここ10年はさまざまなプロジェクトにより全国の試験研究機問で集中的な技術開発が行われ、飼料としての価値は格段に高まったといえる。そこで本稿では近年の研究成果を交えて、泌乳牛に対する稲発酵粗飼料の給与技術、給与効果の可能性について紹介する。