（12）畜産学の努力とこれから

摘要

今、農学部キャンパスを歩くと家畜や魚、キノコの挿し絵の入った「農学で、がんばる」というポスターを目にすることがある。 国立大学農学系学部長会議の林良博初代会長（東京大学教授）が提案し、計46大学の学部長の同意を得て、2000年に作成したものである。 全国農業協同組合中央会の資金援助で1万枚印刷し、全国に配付したとも問いている。 「『農学って何？ 』と聞かれて、みなさんはどう答えるでしょう」ではじまる文章は心に浸みるものがある。 農学が、農業、林業、水産、畜産に係わる科学にとどまらず、環境破壊、栄養不良や飢餓、化石燃料の枯渇などの解決にも視野を広げていることやこれらの難問を解くために、あらゆる生物の可能性に着目する「いのちの科学」、すなわち農学が大切であることを明確に表現している。 このポスターについて、朝日新聞は「現代の農学が農業や林業以外に、化学、資源、生命科学、医学などにすそ野を広げ、可能性は大きい、と訴えている」と紹介している。