繁殖性が低下した乳牛の特徴、 障害牛の空胎期間を短縮した臨床例

摘要

乳牛の繁殖性は直接的、間接的に様々な要 因に影響されている。中.な要因は環境、雄牛、 雌牛、人である。環境は、地理や気候等の然要素と経済情勢や牛舎等の人的要素で 構成されている。雄牛及び雌牛の要素は、遺 伝、体型、能力等であり、人の要素としては 意欲、労働力、技術力、組織力等が考えられる。 雄牛と雌牛の要因が重なる部分にはG然交配(以下、NSという。）があり、雄牛と人が重な り合う部分には飼育管理と精子処理、雌牛と 人が重なり合う部分には飼育管理と乳生産が ある。多彩な環境の下で、雄牛、雌牛、人の 三者の全てが重なり合う部分に繁殖技術であ る人工授精（以下、AIという。）、胚移植（以下、 ETという。）、多排卵採胚（以下、MOECとレゝ う。）がある。このように雌牛に施される繁殖技 術の結果は上記の4要因に複雑かつ相互に影 響を受けている（図1)。