鶏の育種および育種事業の変遷Ⅰ．鶏の育種（品種改上良）の変遷

摘要

東南アジアやインドに現存する野鶏（jungle fowl）は紀元前6000年以前に家禽化されていて、これが中国やインドで大型、多産化されたものが中東を経て欧州に伝播し、さらに改良が加えられたが、17世紀ごろまでは品種として確立されていたわけではなく、体型、羽色、冠形などもまちまちで極めて雑駁なものであったと思われる。 しかし、18世紀には、各国でそれぞれ独特の体型、羽色、冠形などをもった品種が形成され、19世紀になるとこれらの形態形質が洗練、固定された品種（breed）や内種（variety）が多数の愛好者によって作出された。