畜舎環境の評価のためのアンモニアなどの環境負荷ガス濃度調査

摘要

近年、畜産経営に対しての苦情発生状況は一貫して減少しているが、悪臭関連と水質汚濁関連の苦情は、依然として、千件を越えているのが現状である。 これに加え、酸性雨原因物質としてのアンモニア（NH_3）や地球温暖化の原因物質としてのメタン（CH_4）と亜酸化窒素（N_2O）が畜産系からの新たな環境負荷としてあげられ、その対策が求められている。 「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」が2004年11月に本格的に施行され、地下水汚染防止に関して、環境負荷削減への取り顧みが強化された。 一方、畜産からの悪臭については、悪臭防止法の規制物質であっても、畜産経営内での定量的把握は限定的に行なわれているにすぎない。これまでの報告では、畜舎内の環境負荷ガスの調査、研究はNH_3にほぼ限定され、CH_4やN_2Oに関するものはまれである。