乾式メタン発酵を組み込んだ循環型排水処理システムの提案一環境負荷低減と温室効果ガス制御を満たすコベネフイツ卜アプローチ一

摘要

一昨年度の環境省中央環境審議会水質部会 における排水規制の)i直し作業において、結 果的にはこれまで通り、家畜排水に対する硝酸性窒素等の暫定基準は900mg/cmと据え置 かれた。これはほとんど無処理で排水できる レベル。一方通常の工場排水などに適用され る排水基準は一律lOOmg/cmである。畜産業 の経済的な状況は理解できるものの、その設 定根拠があいまいで、無処理に近い排水基準 値は、他の産業と比べて非常に甘く、水質汚 濁防止法の趣旨から問題であるとの意見が噴 出し、次の見直し期限（3年以内）には、大 幅な排水規制の強化が予想される。年間約 9億tの家畜排せつ物の3割を占める養豚業 は、農地を所有しないことが多く、農地還元 が困難であった（乳用牛、肉用牛経営農家は 自己保有地があり、農地還元が可能)。従つて、 排水規制強化の影響を受けるのは、わが国最 大の畜産業である養豚業排水である。