東日本大震災，東京電力福島原子力発電所事故に伴う土地利用型畜産への影響一問題の経過と当面の課題一

摘要

今回の原発事故に伴い、関東、東北の多く の県で牧草から乳用牛の暫定許容値を上回る 放射性セシゥム等が検出され牧草が給与でき なくなった。最も栄養価が高く、収量も多い 春1番草の利用ができないことは、自給飼料 の利用に重点を置く酪農経営にとって大きな 痛手である。また、原発事故後に圃場から収穫した稲わ らを給与した肉牛から食品摂取基準値を上回る放射性セシウムが検出され、4県で肉牛の 出荷が制限され、枝肉価格および子牛価格が 暴落するなど肉牛経営にも大きな影響を与え ている。