乳牛における大豆レシチンの多彩な栄養生理機能の考察（8）

摘要

これまで，n－3とn－6の両系列のEFAとしてのリノール酸，α－リノレン醸そして，それらの代謝産物としてのアラキドンサン（AA），エイコサペンタエン酸（EPA）とドコサヘキサエン酸（DHA）などによる血管内部環境整備や円滑な血流維持に，抗血栓症の予防を介しての寄与の一端について触れてきた。 しかしながら，これらn－3，n－6両系列のEFAの摂取量バランスの乱れは，α－リノレン酸とリノール酸のそれぞれの代謝つまり，不飽和化とエイコサノイド（プロスタグランジン，ロイコトリエン，トロンボキサンでAAやEPAより産生される一連の生理活性物質）産生において，リノール酸とα-リノレン酸との干渉作用が働くことになる。