放牧導入で省力化と高収益を実現した大矢根牧場

摘要

大矢根牧場は、北海道東部の網走支庁管内内陸の津別町に位置している。 当地域は網走川を基幹としたいくつかの河川沿いに広がる畑作が中心の山村農業地域である。 地域の酪農経営は27戸と少ないが、ほかに乳用種肥育や黒毛和種経営も専業や畑作との複合経営で営まれている。このような地域条件から大矢根牧場の経営規模は、現在の北海道酪農の飼養規模からみればかなり小さい。 しかし、放牧を取り入れることで乳牛1頭当たりの生産性と収益性が飛躍的に向上した結果、40頭規模で70頭規模に相当する所得を確保していることが大きな特徴である。