世界における鶏卵生産と貿易の近年の様態地域ごとの状況報告（1）

摘要

この報告の著者は，2015年までの世界の鶏卵生産の見通し，EUノにおける鶏卵生産と貿易および世界の鶏卵生産業におけるアジアの役割の変化を展望するため，過去数年のIEC関連の幾つかの特別研究を行なってきた。　本報告では，1990年以降の世界の鶏卵生産と2006年における貿易の様態を分析するものである。分析対象期間をこのように選んだのは，1990年代以降に政治的な全体像がかなり変化したからであり，とくに東ヨーロッパと旧ソ連邦における社会一経済的な変化があったという理由による。東ヨーロッパの幾つかの国はEUに加盟し，ソ連邦の幾つかの国は独立国となった。そのため，FAOのデータベースにおけるヨーロッパとアジアの地域区分の再編があった。FAOも，1994年の北米自由貿易協定（NAFTA）の成立以降では地勢区分が変わり，その経済的状況を反映しないので，アメリカ地域における区分を変えた。FAOとは異なり，この報告で北アメリカというのはカナダ，メキシコおよびUSAを意味するが，FAO統計では北アメリカにはカナダとUSAのデータのみが含まれる。