肥料、土壌改良資材としての家畜ふん堆肥

摘要

平成17年3月，新たな『食料、農業、農村基本計画』が策定され，農林水産環境政策の基本方針が同年12月に公表された。 この基本方針では，農林水産業全体を環境保全を重視するものへ移行することとしており，適切な肥料，農薬の使用等による環境負荷の低減とともに，堆肥等を利用した土づくりによる物質循環を促進することとしている。 家畜ふん堆肥等は多くの肥料成分や各種の有機物を含み，作物に養分を供給するだけでなく，土壌の物理性、化学性、生物性を改善する効果もあり，土づくりに有効な資材であることは広く認識されている。 しかし，一方では，とくに低品質堆肥の多量施用によって土壌中で養分の蓄積、アンバランス等が生じ，作物の生育、品質や環境に好ましくない影響を与える危険性があることも明らかにされている。