北海道江差町と幌延町の公共牧場における吸血性アブ類

摘要

吸血性アブ類は夏季に大量発生して中体に飛来し，吸iflL 、 刺咬により失血や皮膚炎，乳牛においてはストレスによる泌 乳量の低下などの被害を^えている（森、烏谷，1997).ま た卞の難病とされる地方病型牛白血病を機械的に伝播するこ とが知られており，家畜疾病を予防する上でも吸血性アブ類 の防除が重要となっている(早川，1980；村上，2011).害虫の防除にはその発生源をなくすことがS木である.し かし吸血性アブ類の幼虫は肉食性で，様々な環境にまばらに 生も1、しており，発生源に対する薬剤散布は難しく効果も期待 できない.また，環境改変による^生源対策も限られた種以 外は極めて困難である.そこでダストバック法，ポアオン法 など殺虫剤の簡易な畜体施用による襲来阻止が行われている が，この方法も長時間有効ではない.そのため成虫を誘引捕 獲するトラップ法が現在のところ確実な方法である（リりII， 1990)ことから多くのトラップが考案され，実用化されてい る（渡辺，2001; Mihok, 2002).