学校図書館と「図書館の自由」一貸出記録の目的外使用問題を中心に

摘要

図書館の自由と学校図書館は最も遠い関係にあるという文章を日にしたことがある。 筆者は，この間題の背景には，専任職員の配置率の低さがあったのではないかと考えている。 言ウまでもなく，多くの学校図書館には，司書教諭，学校司書を問わず，専任の職員は長く配置されてこなかった。 学校図書館と図書館の自由との関係について考えるためには，まずは現場で生じている問題を把握しなければならないのだが，学校図書館には実態を伝えるべき図書館員が不在である。 つまり，実態を把握することの難しさが，学校図書館活動を図書館の自由という観点から論じることを不十分にし，そのことが学校図書館と図書館の自由との関係を遠のかせていた，と考えているのである。