豚舎汚水のメタン発酵処理技術および低コスト普及型メタン発酵プラントの開発（2）

摘要

豚ふん尿混合汚水のメタン発酵法は，資源回収型処理としてきわめて有望であり大規模養豚場ではすでにふん尿混合方式の効率的処理として実施例がある。 しかし，養豚経営のメタン発酵は消化液の液肥利用がほとんどの場合困難であり，消化液の浄化処理を行う場合は4，000頭程度の中規模以下においては処理施設の建設費が多くを占め，全体の処理コストがこれまでの「．≦、ん尿分離方式の活性汚泥処理」に対し高額となる。 ところが，近年メタン発酵処理は農家の現場においても強い関心が寄せられ，普及への期待感が強まっている。 そこで，筆者らはメタン発酵の効率化と消化液の低コスト浄化処理を4，000頭規模の養豚農家の現場で実証を行い（大洋興産株式会社），処理性能および経済効果の高い安定処理技術を平成17年3月に確立することができた。 この効率的かつ低コストメタン発酵処理システムを資源循環型処理法の一選択肢として普及が適えれば，環境保全と安定的畜産経営に寄与できることが期待できるので以下にその概要を報告する。