エチオピアにおける潅漑農業の現状と開発方向（オロミア州中部半乾燥地帯を中心にして）

摘要

東アフリカの大国でアフリカ連合（AU）本部があるエチオピアは、古くからの歴史と独自の文字（アムハラ文字）を持っており、コーヒー発祥の農業国でもある。（図－1）エチオピア政府は、農村開発を牽引力とした工業化の推進（ADLI注）など4つの柱で構成される5カ年開発計画（2005～2010年）を策定。主要産業である農業の振興を優先課題に掲げている。特に干ばつの被害を受けやすい半乾燥地域では、潅漑開発による農村振興に重点を置いている。潅漑事業については、大規模開発（3000ha以上）および中規模開発（200～300ha）は水資源省、それ以下の小規模開発（200ha未満）は農業、農村開発省が予算手当てをし、個別プロジェクトは一部の中央政府直轄事業を除き各州政府が実施する。州政府への分権化が進んでいることもあり、大規模開発でも州政府が立案し、中央政府に予算要求する事例もある。