下期はCr·Mnが相場のかく乱要因に/市場は石油·ガス，省エネ関連の原料·素材が好調

摘要

上期（1～6月）のレアメタルの貿易総額（輸入·輸出の合計）は，1兆7,200億円と前年同期（1兆7,361億円）比で1％減とほぼ横ばいだった。 需要面では，サブプライム問題でアメリカやヨーロッパの景気に減速感が出ており，当初は悲観的な見通しも少なくなからたが，BRICsを中心とした新興国の需要は依然として底堅く，今のところ大きな影響はない。 安全な投資先を求めた投機資金が原油市場に流入し，相場が未曾有の高騰をみせ，石油·天然ガスなどのエネルギー関連需要に加え，ハイブリット車や太陽電池，新型航空機といった省エネ需要が好調に推移した。 供給面では，昨年暴騰したニッケルは新規供給が相次ぎ，ステンレスメーカーのNi離れなどもあって，価格調整に入った。 代わってクロムやマンガンは主産地の南アフケヵの電力不足や，フェロアロイの製造拠点·中国の電力不足や輸出抑制などの影響から相場のかく乱要因になりつつある。