国際相場は大手生産者らの減産で回復-大型新規プロジェクトの計画遅延が一因に

摘要

モリブデンの国際相場は，足元で7．55ドル／lb（プラッツ。中値）と直近のピーク（5月下旬。8．6ドル）から12％下落したが，調整局面を迎えた7月（月平均。6．66ドル）からは値戻しに転じている。1～4月は大手生産者の減産体制にも関わらず，サプライチェーンの在庫解消に時間がかかり，5ドル台の安値水準で推移。世界需要の弱さが反映された。だが，5月にアメリカ·KennecottのBingham Canyon鉱山が，鉱石中の純分低下による生産数量の減少を発表。チリの大型新規プロ「SierraGorda」の第2フェーズ拡張延期も明らかとなり，市場にタイト感が強まった。実需なき回復に7月以降は6ドル台を中心に落着きをみせ，現状では最終需要家らにひっ迫感はないという。今後は需給がバランスし6～7ドル台の範囲で推移が見込まれる（世界需給の詳細は9月16日号掲載）。