外部電場，磁場による各相の電子挙動を測定--不揮発性メモリー，磁気センサーなどへの応用に期待

摘要

理化学研究所と東京大学は，金属と絶縁体という異なる性質を持つ領域（電子の集団）が空間的に分離しながら共存している状態（相分離状態）にあるマンガン酸化物について，外部からの電場，磁場，温度の変化に対してそれぞれの相で電子がどのような挙動を示すか測定することに成功した。これまで電場を加えると金属領域だ挟に電流が流れてしまい領域別に測定することができなかったが，この漏れ電流を抑制できるマンガン酸化物の試料を開発ずることで可能にした。相分離状態の物質は，電場や磁場が加わると物質全体の電子状態が変化し電気抵抗が大きく変化ずるなどの現象が現われる。この性質を利用して不揮発性メモリーや磁気センサーなどへの応用が期待されている。