管球プリアンプ·キットを作る

摘要

前回米Transcendent社のプリアンプをご紹介してから2年ほど経ちました。 最近,同社が管球式のフォノ·アンプのキットを発表しました。 同社は，オーディオ界の常識にチャレンジした『Audio Reality』という本の著者であるBruce Rozenblit氏が自著で発表したアンプをキットで提供するための会社です。 どのアンプを発売するかは，インターネットでの要望やディスカッションをもとに決めているという，ユニークな運営をしています。メイン,プリと製品化をしたつぎがフォノ·イコライザになったのは自然な成り行きでしょう。 ただし，回路は本で発表したものとは違います。 そこではグリッド接地プリアンプの出力段回路のフィードバック系に逆RIAA特性を持たせて，それを次段のSRPP回路に渡して出力するというものでした。 しかし，その後ロシアの軍用球の中に高gmのおもしろい球を見つけて設計し直したものが，今回のフォノ·アンプです。