マイクロフォーカスX線CTを用いた国産ヴァイオリンの非破壊による年輪年代学的研究－鈴木政吉の製品と作品を中心に－

摘要

日本におけるヴァイオリン製造の歴史を語る上で 欠かすことのできない人物として、鈴木政吉（1859 ～1944）を挙げることができる。もともと三味線作 りを家業としていた彼は、明治の近代化の中でヴァ イオリン作りへと転進し、パリ万博（1900年）に出 品するなどの活躍を重ねた。さらに、量産·機械化 された工場でヴァイオリンを量産するに至る傍ら、 自作の高級手工品ヴァイオリンの製作をも手掛けた。